ひな祭りになると、雛人形を飾りますが、1年に1回だけなので飾り方を忘れてしまいがちなんですよね。
「お内裏様の位置って、左右どちらに飾るんだっけ?」
右に飾っているものもあれば、左に飾っているものもあるので、どちらが正しいのかと迷ってしまいます。
男雛を右に置くのか、左に置くのかは、関東と関西によっても違いがあります。
お内裏様の位置と一緒に、なぜ関東と関西で違いがあるのかについてもご紹介します。
雛人形の飾り方 お内裏様の位置は?
「お内裏様の位置は、右か左どっちに置いたら良いの?」と聞かれると、”男雛の位置”について聞かれていると思いますよね。
私も、ずっとそう思っていましたが、実はお内裏様というのは男雛のことではありません。
初めて知った時は、かなり驚きました。
ひな祭りの歌にも、「お内裏様とお雛様、二人並んで~♪」という歌詞が出てきますよね。
子供の頃からこの歌を聞いているので、てっきり【お内裏様=男雛、お雛様=女雛】と思っていました。
お内裏様というのは、男雛と女雛の2人で一人を指す言葉なんです。
ということは、「お内裏様とお雛様、二人並んで~♪」という歌詞の意味は、「男雛・女雛・女雛」の3人いるということ・・・ではありません。
実は、お雛様というのも、男雛と女雛の2体の呼び名のことなんです。
ということは、ひな祭りの歌には、男雛・女雛・男雛・女雛の4体のひな人形がいるということです。
ですので、男雛の位置を聞くときは「お内裏様の位置は右と左どっち?」ではなく、正しくは「お殿様(男雛)の位置は右と左どっち?」になりますね。
殿様を置く位置ですが、向かって左側が殿様、右側が姫様になります。
私は、右か左かを忘れないように、「結婚披露宴で新郎新婦が座る位置と同じ」という覚え方をしています。
結婚披露宴でも、向かって左側が男性、右側に女性が座りますよね。
こうして覚えておくと、「あれ?どっちだったけ?」となった時でも、すぐに思い出すことができます。
では、なぜ正面から見て右側に殿様を置いているものもあるのかというと、関東と関西(京都)の違いです。
京都のひな飾りは、向かって右側が殿様、左側が姫様になります。
なぜ、関東と京都で飾る位置に違いがあるのかについて、ご紹介していきますね。
雛人形の関東と関西の違い
雛人形が京都と関東で飾り方が違う理由は、大正時代にさかのぼります。
元々は、日本古来の座り方だと「左上座」といって、向かって右側に一番偉い人が座るというのが常識でした。
大河や時代劇などを見ていると、たまにお城でお殿様とお姫様が座っているシーンがありますが、お姫様は殿様の左側に座っています。
下の画像は、左上座に男雛が座っています。
では、なぜ男女の並びが反対になったのか?
明治時代になってから、西洋の文化が取り入れられるようになったのですが、西洋では「右側上位(向かって左側)」という考え方で、男女の並びは日本と逆でした。
西洋の文化が取り入れられてから、初めての即位式、つまり大正天皇の即位式の時に、西洋文化にならって、天皇陛下は向かって左側に立たれました。
昭和天皇の即位式も、向かって左側に天皇陛下、右側に皇后陛下がお立ちになられたことが、今の関東風のひな人形の飾り方の始まりとされています。
京都だけが、昔の「左上座」のままの理由は、昔からの伝統を忠実に守っているので、男雛が右側、女雛が左側という飾り方をしています。
雛人形のお内裏様の刀の向きは?
男雛の脇に差してある刀、あの刀にも正しい向きがあります。
刀も「向きはどっちだったけ?」と忘れがちなのですが、覚え方があるんです。
刀は大きく分けると、”太刀”と”打ち刀”の2種類があります。
太刀と打ち刀では、差し方が違って「太刀は刃が下向き」「打ち刀は刃が上向き」です。
男雛が持っているのは、太刀なので、脇差しは下向きに飾るのが正しい飾り方になります。
太刀が使われていたのは、主に平安時代~室町時代といわれていて、武器として使用されていました。
刀を抜いた時にそのまま相手を斬れるので、刃は下向きになっていたそうです。
反対に打ち刀が使われていたのは、室町時代~明治時代で、武器としてより装飾品として用いられることが多かったようです。
ということで、忘れないようにする為に、「殿様は姫様を守る為に、いつでも刀で敵を斬れるように太刀を持っている」というように覚えています。
多少強引な覚え方ではありますが・・・
雛人形の飾り方 お内裏様の位置は?まとめ
雛人形のお内裏様・お雛様は、男雛・女雛を指す言葉ではなく、男雛と女雛2人で1人を指す言葉です。
今まで、「お内裏様(お雛様)の位置は右か左どっち?」と聞いていたのは、「男雛と女雛の位置は右か左どっち?」と、なんともややこしい聞き方をしていたということなんですね。
雛人形の飾り方で、全国的に使われているのが関東の飾り方の「向かって男雛は左・女雛は右」です。
ただ、どちらが正しいということはありませんので、ご家庭ごとのスタイルに合わせて飾ってくださいね。
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